化膿性汗腺炎の原因は何? 化膿性汗腺炎の原因は何?

化膿性汗腺炎は、アポクリン腺の多いおしり、わきの下、太ももの内側や付け根、
胸など特定の部位が触れ合うような場所にでやすいのですが、正確な原因はわかっていません。
細菌がきっかけとなり、毛穴で免疫(細菌やウイルスといった外敵から身を守る仕組み)が
異常に働きはじめた結果、化膿性汗腺炎になっていくと言われており、
感染症はあくまできっかけにすぎず、その後の免疫の異常な働きが原因であるとされています 7)

化膿性汗腺炎とは?

化膿性汗腺炎とは?

思春期以降に発症し、痛みがあり、繰り返しできる慢性炎症性の皮膚の病気です。炎症症状は、わきの下、おしり、太ももの付け根、乳房などによくでき、主な症状としては赤く腫れ上がったおできのような症状ですが、進行するとおできに膿がたまり、さらにはおできどうしがつながって、皮膚の下にトンネルができ、炎症を繰り返してはんこんが残ります1) 。

重症になると日常の活動が制限されることがあり、就業が困難になるケースもあります2)。海外では100人に1人がかかると報告されており 3)、細菌による感染症と誤認されることも多い疾患ですが、感染は主原因ではないとされています 4)。また特に喫煙は、化膿性汗腺炎に影響があると報告されています5)

病気の認知度が低く、複雑な病気であることから、何年も診断名がつかないことが珍しくありません。化膿性汗腺炎であると診断されるまでにかかった平均年数は7年と海外では報告されており、乾癬など他の炎症性皮膚疾患よりも長く、受診回数も多いと言われています6)

症状のでやすいわきの下.おしり 症状のでやすいわきの下.おしり

病気の認知度が低く、複雑な病気であることから、何年も診断名がつかないことが珍しくありません。化膿性汗腺炎であると診断されるまでにかかった平均年数は7年と海外では報告されており、乾癬など他の炎症性皮膚疾患よりも長く、受診回数も多いと言われています6)
また、日本で「臀部慢性膿皮症(でんぶまんせいのうひしょう)」として診断治療されているものも、海外で定義される化膿性汗腺炎に含まれます。

また、日本で「臀部慢性膿皮症(でんぶまんせいのうひしょう)」として診断治療されているものも、海外で定義される化膿性汗腺炎に含まれます。

よりよく毎日を過ごすために化膿性汗腺炎のケア方法

よりよく毎日を過ごすために化膿性汗腺炎のケア方法

化膿性汗腺炎は感染症ではなく、不衛生が原因の病気でもありませんが8)
症状が皮膚の表面に起こることから、快適に過ごすために日常的に工夫できることがあります。

食習慣とライフスタイル

食習慣とライフスタイル

食習慣とライフスタイル

食習慣とライフスタイル

バランス良く栄養豊富な食事をとり、必要に応じて体重をコントロールすることが、健康を維持するために必要です。
化膿性汗腺炎は、人それぞれ違う症状を経験していることが多いので、どのような運動が適しているかは人によって異なります。今、取り組んでいる運動、またはやりたいと思っている運動について、気になることがある場合には、皮膚科医にご相談ください。

  • 肥満に注意しましょう!!

    肥満に注意しましょう!!

    肥満に注意しましょう!!

    肥満に注意しましょう!!

    研究の結果、化膿性汗腺炎は肥満と関連があることや、肥満の程度が上がるにつれて化膿性汗腺炎の重症度も上がっていることがわかっています9)。あなたが肥満であるならば、減量することが健康改善にも役立ち10)、服による締め付けや、服と皮膚との摩擦も軽減されます。

  • 禁煙しましょう!!

    禁煙しましょう!!

    禁煙しましょう!!

    禁煙しましょう!!

    化膿性汗腺炎の発症には、喫煙が関連していることが、医学的に研究によって証明されています 9,10)。禁煙をすると症状が良くなるというエビデンスはありませんが、重症度とタバコの本数に相関があるとの報告があります。ともかく、禁煙は健康改善に役立ちます 9)

  • 肌に優しい洋服

    肌に優しい洋服

    肌に優しい洋服

    肌に優しい洋服

    服を着るたびに自分の肌のことを考えなければならないのは、ストレスになりがちです。一般的に、化繊(ナイロンやポリエステルなど)やウールなどの素材やピッタリした服より、綿素材のゆったりした服のほうが良いでしょう。ただし、症状が出ている場所にもよりますので、何が良いかについては、皮膚科医にご相談ください。

  • 1)Hunger RE, et al. Dermatology. 2017 Jul 7. doi: 10.1159/000477459. [Epub ahead of print]
  • 2)Jemec G. Clinical and experimental dermatology. 1996; Vol.21(6):419-423.
  • 3)Revuz J., J Eur Acad Dermatol Venereol. 2009 Sep;23(9):985-998.
  • 4)Jemec G. Hidradenitis Suppurativa. N Engl J Med. 2012; 366:158-164.
  • 5)Margesson LJ, et al.Best Pract Res Clin Obstet Gynaecol. 2014 Oct;28(7):1013-1027.
  • 6)Saunte DM, et al. Br J Dermatol. 2015 Dec;173(6):1546-1549. doi: 10.1111/bjd.14038. [Epub 2015 Nov 3.]
  • 7)Yazdanyar S, et al. Curr Opin Infect Dis. 2011;24(2):118-123.
  • 8)The British Association of Dermatologists. Hidradenitis Suppurativa. Available at: http://www.bad.org.uk/for-the-public/patient-information-leaflets/hidradenitis-suppurativa. [Accessed May 2015.]
  • 9)Kromann C, Deckers IE, Esmann S,et al. Risk factors, clinical course and long-term prognosis in hidradenitis suppurativa: a cross-sectional study. Br J Dermatol 2014;171:819–824.
  • 10)Alikhan A, Lynch PJ, Eisen DB. Hidradenitis suppurativa: a comprehensive review. J Am Acad Dermatol 2009;60:539–561.
監修

日本大学医学部 皮膚科学系 皮膚科学分野 教授 照井 正 先生